2019年3月。 BEAMS の小川さんから届いた一通のメールが、 緒方くんとの出会いのはじまりだった。 「福岡のON AIR というクリエイティブチームから、 ONE KILN を紹介してほしいと相談を受けました。」 後日届いた緒方くんからのメールには、 NONCHELEEE、KYNE と共に活動する ON AIR の存在、 そして「母の実家が明和 2 丁目です」という一文が添えられていた。
——カルチャーの最前線にいるような活動内容と、 「明和 2 丁目」というローカルな響きのギャップが心に引っかかった。
3人で工房を訪ねてきてくれた日、 それぞれのメンバーが鹿児島に縁を持っていることを知った。 不思議な親近感が生まれ、一気に距離が縮まった。
⸻ Collaboration Chronicle 2019年秋 ash Design & Craft Fair ON AIR × ONE KILN “Meditation Pop-up” 2020年 森の香りをテーマにした 「SINRIN BOTANICAL MIST」を共作。 2020年10月 千葉・HAKO 「YAU in HAKO」 2021年3月 福岡・Dice&Dice 「YAU in DICE&DICE」 2021年11月(ash) ON AIR / ONE KILN / KANAIKOUGEI 「Meditation」再構築 どのプロジェクトも、 プロダクトを作るというより、 感覚を共有するための試みだった。 ⸻
—— あれから5年。
2025年の ash では、緒方数馬が ひとりのアーティストとして自身の名義で参加する。 出会いから積み重ねてきた 「Action(行為)」と「Reaction(反応)」が、 今回の展示につながっている。 それは計画的に進めてきたことではなく、 お互いの感覚の共有、いわば “バイブスチェック” と、 手と土と火、そして一瞬のひらめきが混ざり合う、予測不能な連鎖そのものだ。 偶然が形を創り、 凝り固まった価値観がそっと揺さぶられる。 そのプロセス自体が、 K.O(Kazuma Ogata)と O.K(ONE KILN)の 次の火種となる。
火種を絶やさぬよう、薪をくべるように、“Action and Reaction” は、続いていく。




